ECサイトはLTVの最大化が成功のカギ?重要性や計算方法をご紹介

EC事業者やWebマーケティング事業者の方なら1度は聞いたことがあるであろう「LTV(ライフタイムバリュー)」。
LTVを意識するECサイトと意識していないECサイトでは、売上や利益に大きな差が生まれます。
つまり、LTVを意識した運営を行うことでECサイトを大きく伸ばすことも十分可能なのです。
当記事では、ECサイトにおけるLTVの重要性やLTVの計算方法、ECサイトでLTVを向上させるための施策をご紹介しています。
EC業界におけるLTVとは?
そもそもLTV(ライフタイムバリュー)とはどういう意味を持つのでしょうか?
LTVとは、日本語に言い換えると顧客生涯価値となり、顧客が会社やお店と取引を開始してから終了するまでの間に、顧客から得られる利益の合計値を指します。
つまり、お客様が自分のサービスや商品を購入してくれた購入費の総額ということになります。
10,000円の商材を1回購入してくれたユーザーAのLTVは1万円ですが、2,000円の商材を10回購入してくれたユーザーBのLTVは2万円となります。
一見多くの金額を使ってくれたユーザーAの方が自社に利益をもたらしてくれると感じますが、LTVの視点で考えるとユーザーBの方が2倍のLTVがあり、自社により良い利益をもたらしているのはユーザーBということがわかるのです。
正しいLTVの数値を求める場合は粗利率やコストなども考えなくてはいけませんが、自社のサービスや商品を販売している会社は、LTVが高いユーザーを増やしていくことで長期的に事業を拡大していくことができます。
なぜEC業界でLTVが重要視されているのか
では、なぜEC業界でLTVが重要視されているのでしょうか?
それは、LTVを意識することで広告にかけられる費用が明確になり、競合よりも強力な広告をユーザーに仕掛けることができるからです。
広告を出稿する場合は、目標CPAという指標を導き出す必要があります。
目標CPAは、LTV×粗利率で求めることができます。今回はLTVを10,000円、粗利率を40%と仮定することにしましょう。
すると、目標CPA4,000円という数値が出ます。
この4,000円という数値は、ユーザー1人当たりにかけることができる広告費ということになり、この数値以下で広告を回すことであれば利益が出るということになるのです。
そのため、LTVを正確に算出していないECサイトは、赤字が出ないように目標CPAを低く設定してしまい、本来かけることができた広告費用を少なめに見積もってしまいます。
広告費用を少なく見積もってしまうと、競合のECサイトに集客チャンスを奪われてしまうことやリスティング広告に十分な予算を当てることができないといった悪影響が生じてしまうのです。
LTVを計算する方法
「LTV=顧客の平均収益(顧客単価×粗利率)×購買頻度×顧客との取引期間-顧客を獲得するためにかかったコスト」という式で導き出すことができます。
今回は、以下のような数値を使ってLTVを算出してみましょう。
顧客単価=10万円
粗利率=0.6
購入頻度=10回
顧客との取引期間=2年
顧客を獲得するためにかかったコスト=40万円
これを上記の公式に当てはめると、10万円×0.3×10回×2年-40万円=80万円となり、LTVが80万円であるということがわかります。
この80万円という数値がわかれば、広告費用を算出することや商品の金額の見直しなどビジネスの改善に役立てることができるのです。
LTVを意識していないECサイトはどうなる?
上記でもお伝えした通り、LTVを意識していないECサイトは、広告出稿費用が曖昧となってしまい、意識しているECサイトに比べて顧客獲得の機会を損失してしまう可能性があります。
また、LTVを求めることで自社のサービスや商品がどれくらいのユーザーに長く使ってもらえているのかを算出することができ、価格設定の見直しやサービスや商品の質を向上させるきっかけとしても利用できます。
つまり、LTVを意識していないECサイトは、顧客のニーズを汲み取れていないということになるのです。
顧客のニーズを汲み取れていない状態が長く続いてしまうと、だんだん顧客が離れていってしまい、長期的にビジネスを維持することが難しくなってしまいます。
LTVを向上させるためには? EC担当者がすべきLTV施策3選
ECサイトを伸ばすためには、正しいLTVの算出だけではなく、LTVを向上させることも重要になってきます。
LTVが向上することでその分を広告費に回すことができるなど、さらなるECサイトの拡大が見込めます。
ここでは、ECサイトの担当者がすべきLTV向上施策を3つご紹介します。
ECにおけるLTV施策①商品の単価を上げる
ECサイトにおけるLTV施策の1つ目は、商品の単価を上げることです。
商品の単価を上げることで顧客が離れてしまう可能性も少なからずありますが、少額の値上げでもLTVは大きく変わります。
10円や100円のような少しの値上げでもLTVの向上が見込めるため、LTVの向上を考えているECサイト担当者は少額の値上げを意識してみると良いでしょう。
少しリスクはありますが、競合と価格設定が同じもしくは少し高い場合は、逆に単価を下げることでLTVの向上が見込めるというパターンもあります。
ECにおけるLTV施策②顧客の購入頻度を高める
ECサイトにおけるLTV施策の2つ目は、顧客の購入頻度を高めることです。
LTVは顧客が初回購入してから購入をやめるまでに会社やお店にもたらす利益であるため、この期間を伸ばせば伸ばすほどLTVの向上が見込めます。
購入頻度を高める代表的な施策の1つに、サブスクリプションサービスを利用するというものがあります。
サブスクリプションサービスとは「定期購買」のことであり、顧客に月額課金制で契約してもらい、企業やお店は利用し放題といったサービスを提供するビジネスモデルです。
毎月一定の売上が入ってくることや沢山利用している顧客にはその分メリットがあるなど、LTVの向上が見込めます。
ECサイトの場合は、サブスクリプションサービスの他にもAmazonなどが実施している定期便なども購入頻度を高める施策として活用できるでしょう。
ECにおけるLTV施策③EC運営代行会社に依頼する
ECサイトにおけるLTV施策の3つ目は、EC運営代行会社に依頼することです。
LTVを向上させるためには、上記のような商品の価格を上げることや購入頻度を高めるという施策だけではなく、効果的なタイミングで広告を出稿することや内製サポートの充実化も挙げられます。
広告を出稿することで新規顧客の獲得が期待でき、お問い合わせなどのサポートを充実化させることでリピーターの増加が期待できるのです。
フューチャーコミュニケーションズでは、ECサイトの運営を代行できるサービスが整っており、集客からコンバージョンまで相談に乗っています。
また、弊社はカスタマーサポートサービスにも力を入れており、高品質なカスタマーサービスによって、リピーターの獲得も期待できます。
ECサイトはLTVの最大化が成功のカギ?重要性や計算方法 | まとめ
今回は、ECサイトにおけるLTVの重要性や計算方法、ECサイトでLTVを向上させる施策についてご紹介してきました。
重要なポイントをもう1度おさらいします。
・ECサイトはLTVを意識することで効果的な広告出稿ができる
・LTVは顧客の平均収益×購買頻度×顧客との取引期間-コストで求められる
・LTVを意識していないECサイトは長期的なビジネス成長が期待できない
・LTVを向上させるためには単価向上やリピーターの購入頻度を高める施策が効果的
ECサイトにおいて、LTVを最大化させることは非常に重要です。
ECサイトの担当者は、LTVをしっかりと意識して今後の価格展開の見直しや広告費用の算出などに活かしていきましょう。
フューチャーコミュニケーションズでは、ECサイト運営代行も承っておりますので、LTVを意識した運営をしたい方は是非お問い合わせフォームで、現状や今後のご展望をお聞かせください。